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焼鳥店の「ししとう」はなぜたまに辛い?見た目で分からない理由と、串の頼み方・食べ方
焼鳥店の野菜串で定番の「ししとう」。ほとんどは辛くないのに、ときどき辛い一本に当たるのはなぜか。和歌山県や農畜産業振興機構、信州大学の資料をもとに、辛くなる条件と見た目で区別できない理由、塩・一味・山椒での食べ方と注文時のひと言をまとめました。
執筆:株式会社皓悦

焼鳥店の野菜串で、ねぎまやしいたけと並んでよく見かけるのが「ししとう」です。炭火で皮に焼き目をつけ、塩をふっただけのシンプルな串ですが、ほとんどは辛くないのに、ときどき驚くほど辛い一本に当たることがあります。この記事では、ししとうがたまに辛くなる理由と、見た目で見分けられるのか、焼鳥店での頼み方・食べ方を、公的機関と大学の資料をもとに整理します。
ししとうはどんな野菜?
農畜産業振興機構(ALIC)の資料によると、ししとうは果実の先端が「獅子の頭」に似ていることから名付けられ、正式名称は「ししとうがらし」です。緑色のピーマンと同じく未熟なうちに収穫されたもので、大きさは5センチ程度。特に関西地方で多く出回り、炒め物や揚げ物、漬物に使われています。
同じ資料では、ししとうは種ごと食べられる一方で「たまに辛味があるものもある」こと、加熱すると破裂することがあるため、加熱前に表面に切れ目などを入れるとよいことも紹介されています。焼鳥店のししとう串に小さな切れ目や穴が入っていることがあるのは、このためと考えられます。
たまに辛くなるのはなぜ?
和歌山県の紹介ページは、ししとうは高温や乾燥などの栽培環境によって辛い果実が発生し、辛い果実は外観から区別できないため、食べると辛いものに「当たる」ことがあると説明しています。つまり、同じ株、同じ袋のししとうでも、育つ途中の暑さや水分の状態によって辛さが出ることがある、ということです。
信州大学の研究紹介によると、ししとうと辛い唐辛子「鷹の爪」をかけ合わせて調べたところ、ししとうの辛味がないことは一つの遺伝子ではなく、複数の遺伝子座によって支配されていることが分かったそうです。ピーマンやパプリカのような辛くない品種は一つの遺伝子で辛味を失っているのとは大きく異なる、とされています。
一方で和歌山県は、辛味成分カプサイシンを遺伝的に作れない、辛い果実が発生しない新品種「ししわかまる」を、県の暖地園芸センターと京都教育大学の共同研究で開発しています。ただし、焼鳥店で出てくるししとうがどの品種かは、メニューからは通常分かりません。
| よく聞く疑問 | 資料から言えること |
|---|---|
| 見た目で辛いものは分かる? | 和歌山県は「外観からは区別できない」としています |
| なぜ辛くなる? | 高温・乾燥などの栽培環境(和歌山県) |
| 辛くない品種はある? | 和歌山県の「ししわかまる」は辛い果実が発生しない品種 |
| 切れ目があるのはなぜ? | 加熱時の破裂を防ぐため(ALIC) |
焼鳥店でのししとう串の頼み方
ししとうは、肉の串の合間に頼むと口の中がさっぱりする野菜串です。メニューでは「野菜串」の欄に「ししとう」とひらがなで書かれていることが多く、注文は「ししとう1本お願いします」で通じます。店によっては塩焼きのほか、たれや、ほかの具と組み合わせた串があることもあるので、味付けが気になるときは「塩ですか、たれですか」と聞いてみてください。
辛いものが苦手な人や、小さな子どもと一緒のときは、ししとうはたまに辛いことがあるという前提で頼むのが無難です。店側も一本ずつ辛さを確かめることはできないため、「辛くないものを」とお願いしても保証はできません。心配なら、最初は先端を少しかじって辛さを確かめるのがおすすめです。
食べ方と卓上の調味料
串のまま食べるときは、ヘタの近くまで食べ進めて、ヘタと串は皿に残すのが一般的です。ALICの資料にあるとおり種ごと食べられるので、中の種を取り出す必要はありません。焼きたては中に熱い蒸気がこもっていることがあるので、ひと口目は少し冷ましてからにしましょう。
焼鳥千吉の卓上には、醤油と、一味・山椒・塩の容器が並んでいます(英語版のカバー写真)。塩焼きのししとうは、そのままでも、山椒を少しふっても合います。一味は辛さを足す調味料なので、辛いものに当たったときの口直しには向きません。辛いものに当たったら、水やご飯で落ち着かせ、無理に食べきらなくても大丈夫です。

焼鳥千吉で頼むときの注意
この記事の写真は、南久宝寺の焼鳥千吉がGoogleで公開している写真です。メニューの内容や価格、その日の仕入れは変わることがあるため、ししとう串があるかどうか、塩とたれのどちらで出しているかは、来店時にメニューかスタッフにご確認ください。席の予約や営業時間は、公式サイトと店舗情報をご覧ください。
ししとうはたまに辛い、だからこそ話のきっかけにもなる野菜串です。辛さは見た目で分からないこと、切れ目は破裂を防ぐためであること、種ごと食べられることを知っておけば、肉の串の合間に安心して楽しめます。


